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のんびりいこうよ

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2011年 01月 19日

寒波のなかの年越し

年賀状を今年は2種類作った。
早くから撮り溜めしておけばよかったのだが、身近に題材があると、逆にタイムオーヴァーさせてしまった。
その場所というのがお向かいの農家の方の持ち山。

そこは小さな峠になって猿田彦を祀ったお社がある。峠を降りても、また山に登らねばならない。
江戸時代の絵図にも描かれた山深い猿田彦神社。
古い家がまばらに集落を作っていたその場所は、いつ行っても飼い猫が擦り寄ってきては遊ぶ、のどかな場所だった。

鳥居の隅に四角い大きな箱のようなものがあり、みると、車を外された「だんじり」で四面に波兎が、彫られていた。


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寒波のなかの年越し_e0036151_1520345.jpg


もう、2面あったのだが、画像が見つからないので、また撮りに行ってもよいなあとおもう。

4面の中、一枚が見返り兎になって、後ろを振り向いている。

ケヤキの大きな一枚板を調達し、絵師、彫師、宮大工と手をかけただんじりに、かってのこの小さな村の財力をおもう。

写真を撮るうちに、あ、猿田彦だから、見返り兎なのだ、と合点がいった。
猿田彦は道案内の神様。

そうだった、莵道稚郎子(うじのわきいらつこ)が、河内の国から宇治に向かう途中で道に迷い、兎が道案内をして助けたという昔話を思い出した。

この山の手前は旧北河内、この山を越えた向こうの山は鳩が峰。
鳩が峰の上からは、かっての巨椋池が見渡せて、その先が宇治。
迷ったのは、本当にこの場所だったのかもしれない。

人生を導く神の使いと見て、見返り兎を吉祥の文様とする意味は、うろ覚えの昔話の中にあったのだ。

賀状にはためらわず見返り兎を使った。

波兎は縁起ものなのだそうだ。
波といえば、年の暮れから寒波襲来で、人間のほうが走り抜けている。

by coppoumon | 2011-01-19 23:04 | Comments(0)


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