2013年 06月 13日
梅雨入り宣言をしてから、雨らしい雨が降らないこの年の梅雨。 こういう現象を中休みではなくて、ズル休みというのだそうだ。 久々に天満橋の南詰めに立った。 左側の船着場は江戸時代から栄えここにも藩邸があった。 写真では右から二番目の高い建物が立っている場所が、最後の藩邸である。 木津にも下屋敷があったというが、私の手元には詳しい資料がないので、場所が特定できない。 空の雲を見て、紫陽花を連想した。 もっとも、花ではなくて、和菓子で、金団でつくる「紫陽花」の色によく似ている。 写真は鍵屋良房御製、「紫陽花」、「水牡丹」、「濡れ燕」。 ところで、天満橋で携帯レンズのシャッターを押し終えた瞬間に友人に声をかけられた。 振り向いて友人の顔を見て、がっしりとした端正なお武家さんのような姿の向こうに見える景色に内心驚いた。 何が見えた、というのではない。 蔵造りの店構えの「翁」という和菓子屋の屋根が取り除かれて、シートがかかっていたのだ。 シャッターも降りている。 戦前、この近くに住んだ人が、翁の主人が自転車に菓子の見本を入れた「もろぶた」を積んで、注文を取りに来た、という話を聞いていたし、何度かここで和菓子を求めたことがあった。 それも、20年ほど前のこと。 一瞬、一抹の寂しさが過ぎったが、友人の顔を見たとたん、「さ、飲も、飲も」モードにあたまが切り替わってしまった。
by coppoumon
| 2013-06-13 23:29
| 大阪
|
Comments(2)
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mitsuketai at 2013-06-14 23:54
自転車に菓子の見本を入れた「もろぶた」を積んで、注文を取りに来た…京都の老舗和菓子屋さんと旧家では今も続いていますよね!
そのやりとりの中で、菓子の創作が生まれ、季節感もあったと思います。 そういう古き良き伝統がだんだんなくなっていくと、さびしいし、いいものも生まれてくる土壌が失われてきているように思います(ペコリ)
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coppoumon at 2013-06-15 06:21
天満近辺は親類がいたり、教育実習に行ったりで、それなりに知っているはずだったのですが、住人たちが減少しているのでしょうか。
和菓子屋も、その地域の人が常遣いしているようなお店には思いがけないものを見出す楽しみがありますが、大手デパートに出店しているようなものは飽きるというか、大体味気ないですね。 |
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