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のんびりいこうよ

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2015年 08月 18日

送り火の頃 2015・8

暑中見舞いが行きかうと知人の消長を聞かされる。
ちかごろは一緒に遊んだとか、遊んでもらったすぐ目上の人たちの訃報を聞く。
弔いを出したのは90歳になるその親である・・などと聞くと、胸がふさがりそうである。

ご回向の旅へと、西を向いて歩こう、というわけではないが、静かなところに行きたくなって家を出た。
出ると、家のほうがよほど静かだったりするのである。

修学院でおりて、妙法の山のふもとに行く。
年に一度、送り火を焚く山であるが、大文字のように、護摩木、薪を勧請しなくても、ヴォランティアスタッフを募集しなくても、地元の人たちだけですべてが調えられる、というのだから、すごいパワーが動くのだろう。
これこそパワースポットではないか・・と勝手に理屈をつけた。

電車を降りた客は4人。

双鳩餅を売る菓子屋がある。お迎え団子、白蒸し、おはぎ、送り団子などとも書いてあり、お盆が過ぎていくことをおもう。

高野川を渡り、法の字のふもとの妙円寺に入る。山門と言うより、大黒天の鳥居をくぐるのだ。
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法の山は立ち入り禁止。すでに準備が整っており、薪にはビニールがかぶせてある。
「明日、から消しを取りに山に入ることを、許可する。消防隊が消火にあたるので、邪魔にならないように協力のこと」とタテカンがあった。

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お寺は10人ほどの参拝客。絵馬堂でのおそば、庫裏でのお茶席などを勧められるままに安息と、瞑想の時間を持つことが出来た。

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お茶席は、影だしのはずが、お茶の先生と弟子が、高齢のお連れの方にお手前の最中だった。

お茶碗は、清水六兵衛の晩年のものでございます。もうひとつは竹軒の珍しく金色の塗りのもの。
茶杓は、「送り火」でございます。棗は・・・と説明をしている。

高齢の婦人が、「きれいに掬われて」「蓋おきは、朝顔ですの? いやあ、けっこうどすな」などと、話すのが否応なく耳に入る。

鬼籍に入った知人たちの魂の平安を祈りつつ、一服頂戴する。

しばらくお道具拝見。

釉裏紅の蓮のつぼみの香合も見事。
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いつか火が灯るのを見たい、とおもう。

by coppoumon | 2015-08-18 23:11 | 京都 | Comments(0)


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