2006年 06月 05日
郷里で過ごした高校までの間、本ばかり読んでいた記憶がある。 そこらじゅうにあるものを手当たり次第に読んで、イトコの同級生達の書架からのお下がりまでも頂いた。 しかし、町の図書館や、学校の図書館の蔵書の貸し出しを利用した事は少ない。 今日の夕刊で清岡卓行氏の訃報に接した。 清岡卓行氏の名を始めて目にしたのは、高校に入る前後だ。 お下がりに頂いた本の中に、原口統三の「二十歳のエチュード」という文庫本があり、原口が尊敬していた先輩として清岡氏の名が出ていた。 それから20年ほどして出版された「アカシヤの大連」「海の瞳」の中で原口統三のことがかかれてあったのを本屋で立ち読みしたが、その後は出来るだけ、彼の本を読むように努めた。彼は詩人だった。 今丁度アカシアの花が咲いている。とはいえ、関西で見るのはニセアカシアなんだけど。 高校に入る直前に、「秀吉の朝鮮征伐」の際に築かれた山城の一番上まで登った。ブラバンで一緒だった友人が別の高校に行くので、お別れのハイキングのつもりだった。 そこは蝶道になっているようで、やたらと蝶々が山越えをする。 1988年、25年ぶりにそこに立ち、町の変わりようを改めて認識した。 お城の奥まで切り開かれて、その南側は山を削って高校が引っ越していた。 小学校も中学校も町はずれに引っ越して町なかに子どもの声はない。 阿須の湾の向うにおにぎり山、曲(まがり)小浦(こうら)の集落が見えてはいるが、何だか新しい町が出来ているかのような開け方だった。 写真は1988年5月末。 金石城一の丸跡から阿須を見る。
by coppoumon
| 2006-06-05 21:38
| 郷里
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