2006年 06月 09日
大丸心斎橋店は、時々内部の大改装が行われる。 そして、その都度、ヴォーリスのディテールの何かが失われている。 先月行って見ると、地下二階から地下一階に上がる曲線の美しかった大階段が撤去されていた。 親柱が二本メモワールとしてエレベーターの横にあった。 驚いた。 アダムスタイルの二階の、天井の上品なレースの装飾が消えたときもがっかりしたが、今度のように階段が消えるとは思わなかった。 私はこのデパートの北面を好きである。西から光が差し込む日が年に二回やってくる。 夕方大きなトラックがこの北面にバックで付けられ、二階部分に当たるそこは大きなダストシュートになっているようで、あっという間にゴミを積み込んで発進していった。 一階エレヴェーター回りの装飾は有名であるが、照明のガラスは本来、ステンドグラスが使われていた。補充が利かないのか破損した部分にすりガラスが入れてあったりする。 ここの一階が森のイメージだったとは、ずいぶん後で知った。 ステンドグラスは、私がオルガンを弾きに行っていた教会の祭壇の後ろのものと同じだったが、教会のステンドグラスは全く異質なものと替えられたために、それまでのように金色の光を見ることがない。 写真で知る限り、西南学院のチャペルに同じガラスがのこっているようだった。 母は戦前、この建物が、大きな吹き抜けを持っていたことを覚えているというので、羨ましい。
by coppoumon
| 2006-06-09 21:50
| ヴォーリズ
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