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2012年 10月 29日

杵福があった頃

学校を出て間もなく、祖父が創設に関係した駅前の市場の手前に、和菓子の店が出来た。
間口も2間ほどの店に、焼き菓子のほか、お茶事に使うような和菓子が5種類ほどならんで、きんとん、こなし、雪平・・などと私が好きなものを箱に詰めてもらった。

支払いを済ませて、ぽってりと大きなお兄ちゃんは、私を見て、同業者の方?とにっこり聞いた。

あ、違いますよ。食べるだけの能しかない客です。と答えて、以後は、母の方が赤飯を気に入ったようで、よく通い、ついには懇意にしていたらしい。

大きな病もしたし、嫁も闘病中だし、後を継ぐとは誰も言い出さないので、そろそろかなあ・・と、数年前から、もとお兄ちゃんは、人の良さそうな顔で笑っていたが、先日、突然・・でもなかったのかもしれないが、店の看板が外されてしまった。

開業して35年目のことだ。



もうひとつ。

隣の駅も各駅停車である。

古くからある大学キャンパスの門のまえは古い村。
まっすぐに見通せる通りには、3軒の饅頭屋がある。

どのお店も需要があって、存続して欲しいなあ、と願う。


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松茸ちゃいまんね。
そっくりでっしゃろ。

あまりにそっくりなので、大皿に入れただけです。

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こうすれば、お菓子、と分かっていただけるかもです。

菓子は招堤・松月の「松茸」

器は三代目森岡嘉祥・古伊万里写し
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by coppoumon | 2012-10-29 22:02 | 和菓子 | Comments(0)
2012年 10月 26日

京都案内・くずきり

東北の友人が関西を訪れた。

御所の近くに宿を取りその日のコースは河井寛次郎記念館から六波羅、建仁寺を抜けて鍵善へ。

なぜ鍵善かというと、河井寛次郎の数多のコレクションを見ることができるからだ。
今回気づいたことは、昔の、鍵善の店のモノクロパネルがかけてあったこと。

あ、ちょっとまちや・・・と立ち止まって町屋造りの写真を見ていると、木の大きな階段をガタガタとあがり、銅の鍋で葛きりをつくるおじさんの手際などを珍しそうに眺めたものだった。
ガタゴトと響く椅子やテーブルは杉の厚板でできた無骨なものだった。などと、リアルに思い出したりする。

19歳の頃で注文するものは葛きり一辺倒だった。

今は店舗の奥にゆったりとした茶寮があり、以前のように階段を上がってくる客のために、早々に席を離れたリはしなくて良くなったが、あれはあれで、店の賑わいがあって楽しかった。

今回、昼食直後だったので、茶寮ではお薄。


これくれない・・と縁高に並べられた和菓子の一つを店員さんに告げたが、店員さんは、ふん。親父ギャグめ・・と思ったかどうか。

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和菓子の御名は・・って、もうネタがバレているけれど「唐紅」。ひらがなで表示してあったので「からくれない」と書くべきだろうか。

抹茶は、祇園辻利の「京昔」なのだそうだ。

我が家で普段、お客様ようではなく、常遣いしているのと同等のお茶で、何故かそのことが、ぞくっとするほど嬉しかった。

お客様には、ランクを下げてお出しする。
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by coppoumon | 2012-10-26 23:38 | 和菓子 | Comments(4)
2012年 10月 24日

雨の日にバラが咲く

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親の残したバラは四季咲きらしい。
親が残したと言っても、祖父のところで働いておられた「清どん」が自宅から移植した木で、母は手入れをしなかった。
一昨年病気がちなこのバラを強剪定してアブラムシから守ると、去年もよく花がつき、今年は毎日見張っていたので、この春には驚くような大輪の花をつけた。

太陽が大好きだとはいえ、この夏は暑さに負けたのかもしれない。肥料が少し足りなかったかもしれない・・などと毎日のように、葉を触り、虫がついていないかを見て、どこで切り戻すか・・などと思案していると、秋雨の日にも咲いてくれた。

京都は暴風雨警報が出たので、潔く切ることにして、古いお付き合いで「清どん」の晩年までをご存知の2軒先の御宅に持っていった。

花は咲いても土砂降りでは辛いなあ。
せめて小雨だったらどうなんだろう。
私は、いつも「雨に咲く花」という歌を思い出す。

夕方になると必ず流行歌がかかった、子供の頃に住んだ家の前の映画館から聞こえてきた歌の一つ。

儚い夢に過ぎないけれど 忘れられない あの人よ
ママになるなら今一度、 ひと目だけでも会いたいの。

そうなのか、売られ買われて、飲み屋のママになる前に、別れてしまった人に会いたいのか・・

こんなことを納得していた、小学5年生だった。 考えると可笑しい。

作詞家の高橋掬太郎という人を、浅学な私はよく知らない。

どうしたことが、井上ひろしは、3番を

空に涙の セレナーデ 
ひとりなくのよ むせぶのよ

と歌い、四家文子は違う歌詞だったなあ・・と気づいていたのだが、島和彦のCDでも、

窓に涙のセレナーデ 
一人なくのよ むせぶのよ

とオリジナルで歌われていないことを、つまり、空に涙と歌っていることを明記してあった。

セレナーデは、恋人の家の窓の下で奏でられるものだから、空とセレナーデは結びつかないように思うが、その意外性が良い・・といわれれば、そうかもしれない。

空に涙のセレナーデ・・といわれると、空涙のような気もするし、pie in the sky・・・つまり絵空事のような気にもなって、折角の良い歌が半減してしまうようにも思う。

私はこの歌のメロディーの作り方も好きである。
音を8つしか使っていない、つまりオクターヴの中に収めて、しかも、自然短音階で、変ないじり方をしていない。

見事だなあと、いつもそう思う。
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by coppoumon | 2012-10-24 20:17 | Comments(0)
2012年 10月 22日

二日続けて通った店

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ご存知、シュー・ア・ラ・クレーム。
日本語だとシュークリーム、そのまま訳すと靴クリーム。

あ、脱線しちゃった。

「笑うセールスマン」を思い出してしまうこのお菓子は皮が香ばしい。そして皮は甘くない。
中にたっぷりクリームが詰めてあり、バニラがほのかに香る。

店の名前はラヴィルリエ 正確には「 ravi、e relier 」
なんだろう、会うことを重ねる喜び・・とでも訳すと当たっているだろうか。

ケーキのおいしい店であり、一日目はザッハトルテのようなチョコレートのケーキと、三段になってチョコレートを巻いたケーキを買った。

翌日は朝からお店に行き、タルトやシュークリームを買った。昨夜もおいでくださり有難うございます。と美しいスタッフに言われた。

朝から嬉しい。

もう一つ。
余計なものを見つけた。それが堂々としているから可笑しくて、嬉しい。
嬉しいようで嬉しくないとも言える。

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メサイヤ! そうなんですか。

で、hair point という言葉をつけると、どのように日本語に置き換えたら良いのだろう。

pointは、犯罪絡みのニュアンスを持って、見張り番、とか見張り台。
 hairは、いわゆる「スケ」

看板だけでは何屋さんかを判断するのは難しい。
だからそれがどうしたというものでもないか。
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by coppoumon | 2012-10-22 23:49 | Comments(4)
2012年 10月 18日

禄兵衛の大福、

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名代よもぎ大福と銘打つだけあって、大変美味しい木之本町の大福。
ははあ。
大福という名は、食後の満足感のことであったか・・と、満ち足りる。

季節限定で栗の金団と粒餡の入った大福も出回っていた。
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おまん屋さんの面目躍如。
和菓子屋なら餡を雪平か外郎地に包むのであろうが、このお店のは羽二重。
餅米のもつ味わいが、口元に大福を持っていくだけで感じられる。

米どころの江州だけのことはある。

大福ではあったが、栗きんとんで、お薄。
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by coppoumon | 2012-10-18 23:04 | 和菓子 | Comments(2)
2012年 10月 17日

大阪一泊旅行その2

粒胡椒という店で夕食を楽しみにしていた。
散策ついでに足を伸ばしたその店は、日曜日は定休のようであった。
私は緑色の粒胡椒のステーキが好物だった。
だった、ではなくて今でも好きだけれど量は100グラムもいらない。

それではと、一人だと絶対に入らないような所がないか、と代わりをさがす。

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友人を誘って入ったのは雑賀崎と書いた某店。雰囲気は屋台か船の中か。

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マグロも、キスも活け。

これが今日の晩ご飯なのか・・と締めを鯛茶にした。

外に出て、きむづかしく考えないでいろんな料理を取って、酒を飲む。

家だと、酒があって、それに合う食べ物や料理を配置し、食べる量を考える。
外で食べるのは苦手でもなく、好きかと言われると嫌いではない。

しかし、誘われなければ、自分からは出かけない。
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by coppoumon | 2012-10-17 17:27 | Comments(0)
2012年 10月 17日

大阪一泊旅行

家訓・・というのか、庭訓というのか、そこに長く住みたいと思うのなら、越して半年間、12時までに帰宅しなさい。決してその間に外泊してはなりません。と、言われてきた。

そうなのかなあ。


その間、遠くの冠婚葬祭さえ不義理をする。
同級生たちはソウルで同窓会しないか・・と誘ってきた。
東京で出たい学会があった。

皆、半年の我慢である。

その甲斐あって解禁。

鄙びたところにある温泉でも行けば良いものを、大阪にホテルを予約した。

誘われても夜、飲みに出歩く・・ということは、ほとんどない。
飲まないからであるが、生ビールの味くらい記憶しておかなくては、と心を入れ替えて出かけた。

20年以上前に時折立ち寄った喫茶店が建て替えられて意外なところに入口があった。
その入口でサンドイッチをほおばるおじさんとおばさんが微笑ましい。
ティーの香りか、コーヒーでも匂えば、ロケーションは抜群だ。

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新宿並みの人出に驚いてばかりはいられないが、誰一人知り合いに遭うこともないのが東京と似ている。
他人に全く関心を待たない自分たちだけの世界といった表情も東京と似ている。

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道を一歩隔てると誰も通らないばしょがあって、びっくりした。
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ホテルはツインのシングルユース(これ、日本語だろうか)。
部屋に魅力はないが、窓から見える景色は人の住む下駄履きマンションばかりで、生活の匂いがしてくるようで心地よい。

東京の中目黒の大橋会館もとなりがマンションで人の生活がわかる建物で、知らない街中にいても孤独感がなく、私は好きだ。

さて、外を眺めているとマンションの鏡張りのガラスに環状線の電車が反映したり、東海道本線のJR独特の線路のガッタンゴットンが部屋の中で聞けたり、と楽しい。

ホテルには、不似合いなステンドグラス付きの向き抜けチャペルがあった。
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左下からイエスの誕生。三賢王の拝謁。
エジプトへの逃避。中央上から失楽園・・イエスの宮参り、下がって最後の晩餐などと絵解きをして過ごす。
右は受胎告知、エリザベツの訪問など、マリアの原義のようであるが、ライトがあたっていなくてわからないところもある。

このステンドグラスは見飽きなかった。

ステンドグラス見学の旅とでもお題を変えようかとすら、思う。
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by coppoumon | 2012-10-17 15:49 | Comments(0)
2012年 10月 12日

いまはもうない「グリル太田」

ドミグラスを大事にする店、ということを聞いて出かけた。 ああ、もう26年前だ。
観世流を習っていて、芸大を受験するという、うちの生徒さんと二人だった。
そのあと、気分転換に、近くの仏閣を訪ねて、早い時間だったが三条カトリックの横のホテルのキャフェテリアで夕食を済ませた。
このキャフェテリアの中から、19才の頃、ガラス越しに機動隊と学生がせめぎ合うのを、どうしようもない悲しさで、眺めていて、その後に、キャフェテリアも3回改装されたが、行くと未だに悲しい。
悲しい・・と思い出しながら、出てくるコーヒーの旨さに、これが好きで19の頃から通ったんだ・と当時をいとおしむ。
あの、最新だったであろう、コーヒードリップの機械はどうしたのだろうと行く末を案じるが、コーヒーは相変わらず美味しいので健在なのかもしれない。

・・・話が違うところにいった。
ドミグラスの店のことだ。

お昼だったので、ランチにしても良かったが、私はハッシュドビーフとカニの入ったポテトサラダを頼んだ。
カウンター席だった。

50代をすぎているはずのマスターは、忙しい店の中で、ボンさんたちを怒鳴り散らして、それも、ちぎっては投げ、という罵倒で、閉口した。

歩く瞬間湯沸かし器だね、というと、早々に店を出た。

それでも、また、出かけたのである。あんたも好きね・・と言われそうだが、味は悪くなかったからだ。
客も常連なのか先日と同じ罵声の中を平然と食事をしている。


やっぱりドミグラスが魅力で、りんごのスライスが沢山使われたドミグラスののったポークカツを頼んだ。

SMの世界だね、というと、「先生、夜になるとあのマスターが天井から吊るされて、使用人たちから打たれているかもしれません」と生徒さんはしゃあしゃあという。

じゃあ、仲良しなんだ。そうじゃなきゃ、存続しないよね。

罵られているボンさんも、確かに平然と仕事をこなしている。
ビビって半泣きになど、なっていないから、どないなってますねん、と思ったが、なるほど合点が行くような気がした。


料理は確かに美味しい。

ポークとりんごは相性が良かった。
思い出して、ポークカツではなくて衣無しのスッポンポンで味を再現。

2センチ位の分厚いとんかつ用ロースの背中側に袋になるように包丁を入れる。
これは肉屋でやってもらう。
2枚で、小さな紅玉1つ使う、とおぼえる。


材料は、豚6枚、べーコン2枚。

それぞれ、1センチ角に切ったリンゴ2,3個、セロリ1本、玉ねぎ半分。

みじん切りパセリもあればよい。クラッカーがあれば4枚くらい砕いておくとよい。


ベーコンをフライパンに入れてカリカリになるまで焼き、油を出す。ベーコンは取り出す。
その油でセロリ玉ねぎを炒めて取り出しりんごを入れる。オマジナイに砂糖を小さじ一杯くらい入れてやる。
色づいたら、先程の玉ねぎ、セロリ、砕いたべーコン、砕いたクラッカーも入れてよく混ぜる。


豚を両面に塩コショウしてバターでさっと焼き色をつける。
そこにさきほど炒めたモノを詰める。

深めの天版に並べて、残ったりんごも汁も全部加えて180度のオーヴンで30分ほど焼く。


おはなちゃん。

うちゃ、オーヴンがないけんね。手抜きするんじゃあ。

この方法だと、SMおおたレストランに近いものが出来るけん、やってみんさいや。もっとおいしいけん。


背開きにスライスした紅玉を詰めてバタでソテして、残りのスライスりんごはドミグラスの中でそっと煮ておく。

またはトンカツにするとよい。

肉が仕上がり次第、りんご入りドミグラスをたっぷりかける。

りんごは薄く薄く切り、ソースは熱く、熱く。
お客様にはりんごの皮を剥くかもしれんけど、家で食べるときは皮も食べる。
りんごの皮がうまいんじゃけね。




このレストランの前を通ったら、普通の家に様変わりしていた。
娘さんが一人いらしたそうだ。
マスター、生きていたら75を過ぎたかなあ。

  合掌。
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by coppoumon | 2012-10-12 14:54 | Comments(0)
2012年 10月 11日

2012年 10月の作業

なんだか農作業みたいだが、薩摩紅梅をもう2本植えることにしている。が、この時期はなかなか見つけることができない。
紅梅の間には白い椿を植えようと、「白侘助」「一休」を探していたら侘助が売られていたので求める。

ミニマムな母の家の軒下を借りていた数軒先の方が、今度は玄関先に脚立を置かせて欲しい、とか、ビワの木を植えさせてもらえないか・・などと言ってよこすので、少々薄気味悪くなって来た。
丁度、外壁の塗装にかかるので、わけを言って軒下に置いてあった縦型ピアノほどの大きさの荷物を退けてもらうことに成功。

これでもう、10月の作業は終わったようなもの。

いやいや、そうではなくて、振り出しに戻って、10月初めに頂いた2キロ強の紅玉をジャムにした。

レシピは相変わらずなので省略。

リンゴ2キロに対して、砂糖を400グラム強。レモン半個分の絞り汁。少しだけシナモンを振った。

レモン、ブランディー、シナモン、ジンジャーと、りんごの相手を変えながら、一通り作ると12月になり、紅玉は市場からなくなってしまう。

りんごジャムは冬の入口の楽しみの一つ。

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そうして柚子のジャムの到来、いや、柚子の届く季節になる。
我が家の柚子は不作。
お向いの花柚子の出来もそんなに良くない。
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by coppoumon | 2012-10-11 23:31 | Comments(0)
2012年 10月 07日

芋名月

収穫感謝のミサがあったのはいつのことだろう。
都会に来てから、農作物を献げて感謝するという礼拝はありうるのだろうか・・などと話し合いをしたとき、家庭菜園をお持ちの方なら、とか花を作っているので、などと言う声はあった。
それもかなり以前のことであって、ミサの当日に捧げられるような野菜が収穫できればの話だ。

むしろ、薄にお団子、里芋などを飾った月見法会のほうが、私には視覚的にしっくりくる。



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サトイモの形をしたお菓子を食べて、抹茶を頂いて、今年採れたたくさんのトマト、茄子を思いだす。



all good gifts around us

are sent from heaven above


この、いかにもドイツ的な賛美歌 wir pflugen ・・・人は耕し種を蒔けど・・・が、骨太に、力強く体内ラジオから響いて秋であることを更に認識させてくれる。

今日の最低気温の予想は17度。酷暑の真夏から既に20度も下がっている。

今後、さらに20度下がるのだろう。



文章追加。

御名「芋名月・外郎地、黄身餡」  御製「笹屋伊織」

茶碗は、対州白茶碗。抹茶の御名は松柏、丸久小山園製
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by coppoumon | 2012-10-07 21:46 | Comments(4)