人気ブログランキング |

のんびりいこうよ

coppoumon.exblog.jp
ブログトップ
2005年 09月 21日

バラのくちづけ

e0036151_2265075.jpg1978年初夏に、二十歳を過ぎた頃から何度も引っ越し続きだったのが、いまの住まいに落ち着いた。

不自由なくピアノが勉強できる環境を確保できたことに、一つの達成感はあったが、住める限り住み続けようという思いと、いずれはここを引き払う日が来るその先のことへの思いが同時に湧いた。

根拠はこのオランダのデルフトのタイル画で、ここへの引越しより先にこのタイル画を手に入れていたら家を建てることを考えたかもしれないのだ。

不思議な絵だった。
「Lente’」と題があり男が女に一枝のバラの花を与えている。庭のバラの木はすべて剪定されてどの枝にも花は無い。最後の一本だったのだろうか。

次に住む時にはこのタイル画から壁の色、建具の色、屋根の色を取ろう。そしてこの庭と同じように亭のある外垣を作って、中にこの庭とそっくり同じものを作り、毎日眺めて暮らそう、と考えた。

e0036151_2273869.jpg数日前、欧州にいらした方からお土産を頂いた。
「なつかしいあの頃・・・でいらっしゃいますかしら」と、包みを拝見する私におっしゃる。
バラの花束を抱える美しい女の子はくちづけを待っている。
いや、女の子が返礼をしているのだ。

今は誰も知らない人と、二十歳にならない頃に一緒に住もうと約束していて果たせなかった。夢はどこに消えたのだろう。

by coppoumon | 2005-09-21 22:44 | 眺めのよいアパルトマン | Comments(3)
Commented by ykzanshou at 2005-09-22 17:33 x
微笑ましく甘酸っぱい香り、静かな時の流れ。
読んでいるこちらも自分なりの郷愁を感じました。
Commented by coppoumon at 2005-09-22 19:46
淡く、儚い二十歳の頃。あとに、長いようで短い時間が残りましたと、今は言えるんですね。どこをとっても金太郎飴で、楽しかったです。
Commented by kotora at 2005-09-24 14:14 x
こんにちわ、コップさん。
かわいらしいお土産ですね~。
いっぱいの花束が、幸せを物語っているようです。
いいなぁ~(はーと)。


<< 南州忌      それも、これも錦市場で >>