2010年 01月 31日
大阪心斎橋筋と周防町の交差する角が、新宿中村屋だった。 20歳になって初めて、中村屋の2階にあるレストランでチキンカリーをご馳走になった。 カレー粉を買って帰りたまねぎとたっぷりのバター(本当はギー・山羊の油)を使ってカリーにもはまった。 ボルシチもたべた。 その北隣が銀座和光。 20歳では、和光で買い物はちょっと無理。渋すぎるのだ。 その北隣がワルツ堂というレコード屋さんだった。 和光の向かいに丸山という器屋があって、友人で、ギターで弾き語りをする遊び人が、バイトをしていた。 友人が、顔と、歌以外は垢抜けしていたのは、こういうところで働いていたからなのだろうか。 別の友人は心斎橋の北側にあったコロネット商会に勤務していた。 会社に遊びにおいで。。。というので、出入りしているうちにそこではお洒落を習った。 そういうことを思い出したのはアルペンラックスの、アルペン・・という会社、アルプス電気の横にコロネットの友人が住んでいたからである。 もう、40年近く前のことだから書いても差し支えないかなあ。 話は、早くに店を閉じた器の丸山。 常使いに、と輪島塗のお椀を買った。 大きさ、丈夫さ、使い勝手のよさを店の息子だったか、息子の従兄弟だったかが、勧めてくれたのだ。 毎日、手荒く使っていますよと。 母は漆器を嫌がった。面倒だという。 婚礼がある、というと近所のおばちゃん総出で、前々日までに出して、使う前はぬるま湯を張って、使い終わったらまたぬるま湯で洗って、紅絹で磨いて・・・そんな辛気臭いことやってられんわ・・と経験を語り始めるのだ。 いきなり熱湯などを注ぐので25年使った頃から、雑に使った報いが来た。 5客中いくつかが変色し、漆が剥げ始めたり、酔ったお客がレンジに入れたり。 修理に出すべきか。修理代も相当なので、新しいのを買うほうが良いのか。 漆器屋を何年も、何軒も見たが、同じようなものはない。しかも、家にあるものは悪くないようで、捨てるには惜しい。 考えは、止まったまま。 ぐずぐずしていたら修理工房がなくなってしまうのではないか・・と気を揉んだら、大阪で漆器修理を専門にしています、という人と出合った。 また、これで修理が遅れてしまうのだろうなあ。と自分のぐずな性格を、眺めている。
by coppoumon
| 2010-01-31 11:50
| 眺めのよいアパルトマン
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