2010年 08月 16日
錦市場は、食材を買いに行く場所で、そこで食事をしていく、ということは考えられなかった。 山茂登という蕎麦屋の他に、二軒ほどうどん屋と寿司屋があったが、山茂登は店を閉じて数年が経つ。 その店は焼物の店になって、奥に座敷が出現して、さすがに京都だなあ、あんなに格調の高い座敷を映画のセットのように再現できるのだなあ・・・と感心していた。 どこかの家を買って、そのままはめ込んだのだろうか・・と思っていたら、蔵で、即売会をやっていたので思い切って入ってみた。 そうして、そこにいたのは山茂登のご主人だったので、驚いた。 あの、土間の部分が元の店です。その奥に、元からあの座敷はありましてん。 明治20年にたてた家で、私の親が90代までここで暮らして、わたしら、店をしながら面倒をみてましてん。 それが、息子に代を譲って、陶芸をする、というので、蕎麦屋は私だけの代だったのですが、 いかんせん、また、週に3日でもどこかで、こじんまりと蕎麦屋をしようかなあ、と、最近、そういう気持ちになってますねん、 こういうお話だった。 ダシが、美味しい店だった。 私は、ここの天とじどんぶりがすきで、おやつ代わりにした。 ご主人は、 ええ、だしは、いろいろと工夫しまして、作ったばかりだと、分離していて、3時間ほどすると一番良い状態になるんです。それからだんだん酸化してまいりますから、もう3時間もすると、店を閉めてしまうんです。 それで、夕方6時半だと店が閉まっていたのですね。 そうです。6時までで、閉店。 京都で演奏会があると、少し早めにここで、少し腹ごしらえをしてから、出かけた。 出しは、しんみり2つほど、濃い目でしたね。というと、ええ、ええ。とご主人が好相を崩された。 最後の記憶は卓袱蕎麦。3年以上前のことだ。 お盆には似つかわしくないけれど、8月15日の話である。 あ、地獄にホトケって感じがしたなあ。
by coppoumon
| 2010-08-16 10:23
| 京都
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