2013年 07月 15日
九州に住む翻訳業の知人は、夏の暑い頃になると、どういうわけかこの世が夢のように思えてくる、という。 なるほど、厳寒期に部屋に入るとムッとするほど暖房が効いていると、幸せだなあ、と思うのだが、 夏の暑い時に、同じような目に遭うと、夢の世界に入れそうな気にもなる。 これほど暑いと、最後の日に箱に入れられて焼かれる頃には、涼しい顔ができるような気がする。それは夢ではないのだ。 今朝、裏庭のトマトを収穫した。 雨上がりで、トマトの数に負けないくらいの蚊の襲撃にあった。 逆境とはこういうことだろうか・・というほどの痒さがなかなか引かない。 早い朝なのに携帯電話が鳴っている。 おい、お盆、どうするねん。 どこにおっても一緒やろ。 仕事休めそうなら、1週間でも2週間でも来て過ごせや。 大阪程、暑いことない、思うで。 有難いことだが、その間、ピアノの練習が出来ない。 行けば家から引越しを見越して移した美術品などがあるし、手入れもしたいし。 まあ、思い切って出かけるのも良いかもしれないなあ・・ 付いて離れないほど懐いている犬もいるし・・いや、それは暑苦しいか。 夏の楽しみに、水なすを手で割いて食べる。 夏の食べもん言うたら、水なすが一番だすわ。と、漬物屋のおっちゃんは、そう言い、大きいの、大きいの・・と言いながら包んでくれた。 水なすの色を見ていたら、ブラームスの楽譜の色を連想させられた。 40過ぎると、ブラームスの後期の、人の好意の輻射や、暖かさで晩年を生きたブラームスの作品を弾くことが、内容と共によく理解できるようになります。 師の永井静子先生は、そういうことを言った。 そうして、わたくし、ブラームスは嫌いです、とも、ヘンデルヴァリエーションはとても良いです、ともおっしゃったが、28歳の頃のグレングールドのブラームスを、大変良い演奏だ、とも言っておられた。 今朝の電話の主は、茄子が大嫌いだ。 嫁は、ですから、茄子を送ってください、などと、平気で言う。 今日は、ゴロンと横になって、夢のような一日だったかもしれない。
by coppoumon
| 2013-07-15 19:31
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Comments(4)
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mitsuketai at 2013-07-19 21:35
水茄子は手で裂いて食べるっていうのをご存じでない方も結構いらっしゃいますね!
食欲のない時に、レモンをギュッと絞って食べるとたまらないですね! 泉州出身の祖母は生の水茄子と干しエビを煮物にしていたのを思い出しました(ペコリ)
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coppoumon at 2013-07-19 22:22
隊長、最近は水なすがあちこちで栽培されているようですが、皆さんに広まって食べて欲しい食材ですね。私は九州の長ナスで育ったのですが、様々な種類のナスが流通しないかなあと、いつも思っています。
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mitsuketai at 2013-07-19 23:46
仰せのとおり、茄子は地域によって様々な種類があり、それが地域の食文化と結びついています。お互いがこんなにおいしい茄子があって、
こんな食べ方もあるという交流が増えたら面白いですね(ペコリ)
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coppoumon at 2013-07-20 00:42
九州の長ナスが南部や弘前の方にもありますし、京都の丸茄子が庄内平野にもありますよね。私は、手に入る時には山科茄子を優先的に買います。
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