2014年 06月 10日
職場のホールには戦前の小さな「イバッハ」というグランドピアノがあった。19歳のころイバッハのフルコンをお持ちの先生宅に伺ったことがあるが、そのピアノはいまいちどこが良いのか、使い古されたのかくたびれた音だったし、ちいさなイバッハもオーヴァーホールの出来が良くなかったのかそれほどの魅力は無かった。 そのうち、小さなイバッハは別の場所に移動して、アップライトが置かれていたが、やはりグランドをということで、新しい小さなピアノがやってきた。 2型というタイプだった。70年代のものをリニューアルしたものだという。 それなりにバランスのよいピアノでアクションの仕上がりも上々。 2型はめったに弾くことがなかったが、それなりに心地よい魅力があるのだなあと思った。 それで、思い出したのは、高校生になったころ、郷里の中学校に真新しい2型が来たので、弾きに来ないか、といわれて、そのチャーミングな音を楽しんだことだ。 その数日後、西崎嘉太郎という玉大の教授が来られ、レッスンをしてくださるというので、伺うと、そのピアノを弾いておられ、「なかなか良いピアノだね」といわれたことで、へえ、こういうピアノが良いピアノなのか・・と頭に焼き付けておいたのだった。 レッスンは、これを使ってください、とこれからは、ホールでのレッスンになる。 これまでも待ち時間に私が弾くのを、職員室ではどこからともなく聞こえるピアノの音として、楽しんでおられるのだそうだ。 それは知らなかった。 そこまで聞こえてはいないだろうと、思っていたし、まじめに演奏していたわけでもないのだから。 新しいピアノは、これから弾きこむ楽しみがある。 骨折もかなり順調な経過だそうで主治医はニコニコ顔だったが、左手の筋肉が落ちたことを見逃さなかった。 鋭いなあ。 そればかりではなく拡がりも悪いが、かろうじてここまでひろがる。 皇帝の右手が冒頭のカデンツアが済んだあと、半音階で上がる、その左手のコードを掴んでいて、危うくセーフ。 コードはオーケストラが演奏するので、実際に弾くことは無いが、練習では自分で弾く。
by coppoumon
| 2014-06-10 10:16
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