2007年 02月 26日
振りかえり、といってもおまんのことだ。 同郷に、賢い女狐を裏返しにしたようなある種の美人がいて、良く憑りつかれた。 母が、同郷の好(よしみ)というので、親切にしていたが、私は裸足で逃げ出した。 逃げたきっかけは、京都の割烹に出かけての帰り道、いましがた食べたものを覚えていない、という事実を彼女のなかに見つけたことからだった。 それでは、何を食べさせても良かったのだ、どっちみち、すぐに忘れてしまうのだから。 それに、そういうお方と、一緒に食事をする滑稽さ。 なぜ、急にそんな事を思い出したのだろう。和菓子があまりにも美味しかったから、に違いない。 二月のおまん、きんとん製の鬼、お多福、手毬、黄身しぐれ。 鬼の角は牛蒡だった。人に喰われる鬼の儚さ、いや、鬼でも食べてしまう人の怖さ・・。 人の持つ原罪なんだ。 お多福は粒餡だった。 そして手毬が漉し餡。 4本の異なった色の糸を一本ずつかけて作る手間を煩わせて、あっという間に口の中に消える。 黄身しぐれを私は大好きである。お茶のお稽古に、あまり喜ばれないそうで、ウグイス餅になると黄な粉がこぼれて、もっと嫌がられるという。 お作法が引っ付いてくると、食べにくいお菓子なのだ。
by coppoumon
| 2007-02-26 23:17
| 和菓子
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Comments(4)
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mitsuketai at 2007-02-27 00:23
和菓子屋さんはゴボウの蜜漬けを応用するようですね!あの花びら餅の棒がゴボウの蜜漬けであることを最近になって知った浅学ぶりに我ながらあきれてしまいます。ある店では節分の饅頭の中にゴボウの蜜漬けを金棒としてあしらっているとのこと。和菓子の世界も探求すればするほど
奥深いことをコップさんのブログを拝見して、認識を新たにしています。
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おはな
at 2007-02-27 08:16
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コップさん、おはようさん。
よっつのおまん。。。どれでもおひとつどうぞと言われたら。。。 。。。o(゜^ ゜)ウーン。。。 かなり迷うけどかわいい鬼さん・お多福さん・てまりを眺めながら きみしぐれを口に入れようかねぇ。 え!そんなこと言わんけえ、悩まんでもええ? ( ̄▽ ̄;)!!ガーン
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coppoumon at 2007-02-27 09:03
隊長
京都の和菓子屋は、老舗、暖簾分けの店以外に、良い店がありますね。 京都駅近くの「おはぎのいまにし」の近くにも賞状がずらっと並んだ和菓子屋がありました。 久々に行ってみると、廃業。 京都中の和菓子を食べるのは、大変困難なことです。
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coppoumon at 2007-02-27 09:06
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