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2006年 08月 22日 ( 1 )


2006年 08月 22日

失ったもの

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記憶している父の時計はロンジンだった。
父の兄の時計はロンジンでも金時計だった。

お揃いなのだそうだ。

金時計は、弱いのだろうか。
私とほぼ同じ歳のヴァルカン・クリケットは機械は良かったが、ケースが傷つくので身につけることは少なく、
そのせいか故障することも無く動いていたが、
40年過ぎて「時計を壊すのは時計屋」というご多分にもれず、時計屋が竜頭をもいでしまった。
竜頭が2段階に動くと勘違いしたようだ。竜頭の上のぽっちを軽く押すともう一段竜頭が出てきて、目覚ましの針を左回りに動かせるのだ。

時計屋は、ネジが、呆けてしもうたんですわ・・とかいいながらセイコーの金時計の竜頭を入れたが、先ず、金の色が合わない。

うまいことに、友人がスイスのラ・ショウ・ド・フォンから50キロのところに2年住んだので、時計を工場に持っていってくれるように依頼した。

ラ・ショウ・ド・フォンという街にヴァルカン創立以来の図面、パーツが揃っている本社があり、数十年ぶりに里帰りした時計に会社は驚いているだろうなあ、と思い込んでいる傍らで、
時計は日本とスイスとの間を往復していたはずだった。

数年後、友人に、修理は出来ていないけれど、結婚を機に、時計を下さいともいわれて、断固、早く手許に寄越すように言った。
しかし、その後、何度請求しても戻ってこないままで、強く問いかけたところ、いくら探してもついに出てこない、と友人が私に告げたのだ。

トルーマンやアイゼンハワーが愛用した時計。

アラームが仕込んであるので一つの竜頭が、二つの発条を交互に巻き上げてゆく。


その後、レヴュ・トーメン社と合併していたヴァルカン社は独立し、外に出て新生ヴァルカン社を設立した。

今、手許にもう一つのヴァルカンがある。2針の一番シンプルな設計、デザイン。ステンレス・スティール。
シンプルさ故に、40年間動き続けているのかもしれない。

発条を入れるシェルという名の部品が少し磨耗しています。が、まだまだ充分使えます。と掃除をしてくれる職人さんがいう。

物はどこかで失くなってしまうものだ、と分かっているけれど、ヴァルカンの金時計とこのような別れ方をした。


拝借した写真は新生ヴァルカン社のクリケット1947モデル・レプリカ。ヴァルカンはレヴュー・トーメンと袂を分かち、独立して、社屋も新しくなった。



その後、わたしのヴァルカンは出てきた。が、修理は出来ていないままだ。

いずれ、修理が完了できるであろうことを、楽しみに待つ。

by coppoumon | 2006-08-22 00:21 | Comments(2)