冬さんさよなら・・という題で記事を書いたことがある。
冬さんさよなら・・ドイツの子どもの歌の題である。
蓮華寺に行った。
不思議な日だった。
土曜日の朝、先客が独り居て、お寺の方もお一人だった。
お茶をお願いしておいて、庭先のたくさんの植物を数える。


縁側から敷石の間に春蘭を探すが、まだ早いようだ。


日差しがあると、暖かい美しい緑が広がる。
きょうは本堂が良くわかる。
あとひと月もすると、芽吹き、若葉に隠れて本堂の全体を見ることは無い。

誰も居なくなった。
すると、みなれぬ鳥たちが池にきて枝を渡り歩く。
もうすぐ、北に帰るであろう鳥たちの声を聴き、しばらくの間、姿を楽しんだ。

座敷から茶室にまわり静けさを楽しむ。

時々椿が流れていく。
山門をでると、急に何か降り始め、また陽が照り始めた。
山里から御蔭神社に向かう。
その入り口で、鹿が2頭私を追い越した。
12時丁度に、御蔭神社を引き返し、鳥居のところまで来ると、また何か降りはじめ止んだ。
柴漬け屋さんが開いていて、箸を使わせてもらい、お茶をいれてくださった。
12時33分のバスが無くなり、1時17分に変更になる・・と顔見知りのおばさんが教えてくれて、そのひとはこの間のように、北白川で降りていった。
熊野神社で降りることにした。
聖護院の拝観日だ。
書院、杉戸、キリシタン灯籠をじっくりと観た。
境内を出て、通ったことの無い道をあるく。

この武家門は・・と見ていると、通りがかりのおばさんが、「山内さん言う○天堂の社長さんの家でんがな。亡くならはったけど」と教えてくれた。
ああ、伏見の安本茶舗で、いつも特上のほうじ茶を10本買っていたあのひとだ、と結びつけた。
あれ?
山門を出たら、また何か降り出したようだ。
手が冷たい。
仁王門前で豆腐を買って退却。
不思議とおもったのは、鳥や鹿までが近くに来て、それに、山門を出ると、なんとなく降っては止み・・というのが約束事のように必ず起こったことだ。
もう、春がきている。